パソコン操作の基本の！「クリック」と「ダブルクリック」の役割と違い - 50歳からでも楽しく覚えられるパソコンの使い方

パソコンを使い始めたとき、「ファイルを開きたいのに、なぜか選ばれるだけで開かない…」「ボタンを押したら意図せずソフトが起動してしまった…」といった経験はありませんか？

これは、マウス操作の基本である「クリック」と「ダブルクリック」の役割の違いを理解していないことが原因かもしれません。

この二つの操作は、見た目は似ていますが、パソコンにとっては全く違う意味を持っています。

この記事では、クリックとダブルクリックがそれぞれどのような役割を担い、どう使い分けるべきかを、初心者の方にもスッキリわかるように解説します。

1. マウス操作の主役！「クリック」が担う役割とは？

「クリック」とは、マウスの左ボタンを「カチッ」と1回押す操作です。

この操作の基本的な役割は、「選ぶ」「指定する」「決定する」の3つです。

クリックの最も基本的な役割は、画面上の対象を「選ぶ」ことです。

例えば、

・デスクトップに並んだファイルやフォルダを1つだけ選ぶとき。

・文章を作成しているとき、文字のどこから書き始めるか、その位置を指定するとき（カーソルを移動させるとき）。

これは、「これからこのファイルについて、何か行動を起こしますよ」という意思をパソコンに伝えるための、「準備段階の操作」です。ファイルをクリックしても、それだけでは中身は開きません。

ウェブサイトやアプリケーション（ソフト）の中にあるボタンやメニュー項目を操作するときにも、クリックを使います。

・インターネットで「送信」や「OK」などのボタンを押すとき。

・Wordなどのソフトで、画面上部のメニュー（例：「ファイル」「編集」）を選んで、次の階層に進むとき。

これらの操作は、クリック1回で「決定」「実行」されるように設計されています。これは、ボタンやメニュー自体が、すでに「実行」の役割を持っているからです。

クリックは、主に「選ぶ」ための操作です。対象がボタンやリンクの場合は、その機能がすでに「実行」と決まっているので、1回で済むのです。

「ダブルクリック」とは、マウスの左ボタンを「カチカチッ」と素早く2回続けて押す操作です。

この操作は、「選ぶ」ではなく、選んだものを「開く」「起動する」という「動作の実行」を意味します。

ダブルクリックは、主に「選ばれた状態にあるものを、すぐに使いたい」ときに使います。

・デスクトップやフォルダ内にあるファイルやフォルダを開いて中身を見たいとき。

・パソコンにインストールされているアプリケーション（ソフト）を起動するとき。

ファイルやフォルダは、単なる「入れ物」や「データ」そのものです。そのため、クリックで「選んで」から、ダブルクリックで「中身を使わせて！」と指示を出す必要があるのです。

ダブルクリックは「速さ」が命です。1回目のクリックと2回目のクリックの間隔が開きすぎると、パソコンは「2回のシングルクリック」だと誤解してしまいます。

最初は少し意識して「カチカチッ」と速く押す練習をしてみましょう。

また、クリックするときに、マウスが少し動くときがあります。そのような場合も反応しませんので落ち着いてダブルクリックします。

この二つの操作の決定的な違いは、その動作が「選択」なのか「実行」なのかという点です。

ウェブサイト上の青い文字の「リンク」や、インターネットの「ボタン」は、クリックを1回で操作します。

これは、インターネットの世界では「選ぶ」という動作を省略し、最初から「押したら移動する（実行）」ように作られているためです。

フォルダの中のファイル名を変更したいとき、ダブルクリックしてしまうとファイルが「開いて」しまいます。

ファイル名を変更したい場合は、1回クリックしてファイルを選び、少し待ってから、もう一度ファイル名をゆっくりクリックするか、選んだ状態でキーボードのF2キーを押します。

「クリック」と「ダブルクリック」は、パソコン操作のドアを開ける鍵🔑のようなものです。

①　クリック（1回）：「これを選びます」という選択の合図。

②　ダブルクリック（2回）：「これを開いて（起動して）ください」という実行の合図。

このシンプルなルールを覚えておけば、もう操作で迷うことは少なくなります。

まずは、デスクトップの空いている場所で「カチッ」「カチカチッ」と練習して、指に感覚を覚え込ませてみましょう。